物質主義の破滅

さてロサンゼルスに来た私は自由な身となり、昼間は旅行社で働き、夜はレストラントのウエトレスをしてお金を稼ぎました。「お金は何でも叶えてくれる」これが私の哲学でした。

LAの生活に慣れた頃、とある旅行社の社長に投資して、まんまと騙されました。その見返りと言いますか、航空会社の招待旅行を沢山させていただき、添乗員としての経験を積み、それが後で役に立つとは思いもしませんでしたが。

当時は旅行業界の全盛期、1985年上原旅行社創立致しました。しかしその時のパートナーがやくざみたいで、稼ぎの半分は彼に吸い取られたが、残りの半分で十分生活ができ、貯蓄もし、3軒の家を買い求めることができました。

ある日のことパートナーから家3軒を抵当にお金をくれと請求されました。その時ばかりは、私もしばらく忘れていた主に祈りました。もう先が真っ暗です、主よ主よと泣きながら祈り、どうかこのことが避けられるようにと叫びました。2,3日して主はなんと私に再婚相手を与えてくれました。

その夫のお陰でヤクザみたいなパートナーと離れて、旅行社のソロ・オーナーとなりました。しかし、結婚生活に向かないのか私は三か月で離婚。言うまでもない、私の気儘で身勝手な行動からでした。

2度も自由なった私は、仕事が好きで、ビジネスは順調に広がり、山の上の別荘、車はジャガーと、沖縄のテレビにも紹介されて有頂天になっていました。

ところが、この世の物質的生活の行く着く運命、破滅が待っていました。主はもう一度崖から私を落とされました。湾岸戦争、地震、日本オウム事件、ニューヨークの9/11,旅行業社に取って大きな打撃でした。

しかし、このような自由奔放のライフスタイルの私にも主は哀れみを留めていて下さり、魂の目覚め、信仰の復活に導かれました。

上原 民子