父との和解(4)
私の心に建ててしまっている壁は、父との関係であるとわかり、このことを打ち砕くためには父にこの思いを話すことであると導かれ、自分の気持ちを手紙にしました。私自身は、まず手紙を書き、送ることができたことは、一歩踏み出すような喜びでした。
しばらくして、母から手紙がきました。父は私の手紙を一人で読み、その後母に見せてくれたそうですが、それについて何を言うこともなく、「でもその日のお父さんは、一日中嬉しそうだったよ」と母からの手紙にありました。
今までなんども父にイエス様こそ私たちの神様であると“福音“を手紙に書いて送りましたが、その度に、一番大事なところに赤ペンでXをし、バカ!と書いたり、「勝手なことを言いやがって」と母に怒りをぶつけていたので、母に被害が行かなかったことに一安心。そして何よりも一日中嬉しそうだったということが私の心を平安に包みました。
父に手紙を出した時は、自分の思い伝えるという任務を果たすことで精一杯で、何のために手紙を出すのか、それは心の壁を打ち壊すためなのですが、打ち壊すとはどういうことか、自分の気持ちを伝えることの意味もはっきりわかっていなかったのだと思います。神様の本当の目的は、私が父を完全に許し、神様の前でこの罪の悔い改めをすることだったのです。
母からの手紙を通して「父親の愛は、娘を無条件に愛する」これが私に注がれました。涙の祈りの中で、私が父に対して思っているマイナスを全部、主の前に告白して、一つ一つ許しますと宣言しました。そして、私が父を誤解していたこと、父への態度、怒り、見下し、悪いこと一切を悔い改めました。
この祈りを通して、私は完全に解放されました。不器用で、言葉の人ではない父が、精一杯私を愛してくれていたことが分かったのです。
悔い改めること、主の前に許しを宣言することは、私たちの心の解放となります。
父はその後も難しい、ドッタンバッタンの人でしたが、どんなに父がイライラしていても、父を尊敬し、私にとってもは大好きな父親となりました。父への傷が癒されたからです。そして、どれほど父が私を想ってくれているのかをどんどん私は知るようになりました。
これは神様が下さった、私の癒しの奇跡の一つです。
キム・明子