パウロ書簡を連続的に礼拝メッセージ
パウロ書簡を連続的に礼拝メッセージ:ガラテヤ人への手紙、エペソ人への手紙、ピリピ人への手紙
パウロは新約聖書27巻のうち13巻を表している(ヘブル人への手紙の著者はパウロ以外の説もありここでは入れてない)。13巻は内容から四大書簡、獄中書簡、牧会書簡と呼称されている。上記の三書簡を連続的に礼拝メッセージで取り上げます。4月の第一日曜日から7月末まで続きます。メッセージは前原が月二回、辻本師が月一回、残る週は織田師、キム師、明子姉がそれぞれ準備します。
今号では、上記の三書簡の概略を紹介し、これからの学びに備えていきます。
1) ガラテヤ人への手紙:
ガラテヤ地方は小アジアの北に位置するが、当時は北と南ガリラヤとに分かれていたようである。本書がどこに送られたかにより執筆年代が若干違い、49年説と53年説がある。49年説を取ればパウロが一番先に書いた書簡であり、53年説を取れば、テサロニケ人への手紙の後、3番目になる。エペソの町から執筆した。
ガラテヤ書はパウロの四大書簡と一つでローマ人への手紙、コリント人への手紙第一、第二と並べられ、キリスト者の自由を述べる。また、ローマ人への手紙はガラテヤ書の注解書と言われるほど、二書は密接なつながりがある。
宗教改革者ルターは「私はこの手紙と結婚した。」と宣言するほどに惚れ込んだ書物は有名である。 本書は16世紀ヨーロッパの宗教改革を推進する原動力となった。
ガラテヤ書は人間は生まれながらの罪人である、聖なる神とどうして聖い交わりを保つことができようか。律法を守ることによってか、そうではない。本書ははっきりその解決に導く。
2) エペソ人への手紙の概略:
パウロにとってエペソ人への手紙ほど親しく、身近に感じる書簡はないかもしれない。使徒行伝20章はパウロはエペソの町に3年滞在したとある。そこで、教会を立て上げた。本書は、ピリピ書、コロサイ書、ピレモン書と同じくローマの獄中から紀元61、62年頃に書れた。これらの書簡を獄中書簡と呼ぶ。
エペソ書の中心聖句は1章23節がふさわしい:”この教会はキリストのからだであって、すべてのものを、すべてのもののうちに満たしているかたが、満ちみちているものに、ほかならない。” このみ言葉からもわかるように、エペソ書は教会論を述べ、前半3章までは教理、教え、後半の3章でキリスト者の生活を教えている。
エペソ書はある程度熟練した信徒を対象とし、より高い霊的なレベルに引き上げて行く。ある詩人は、エペソ書を”人間の手に成る最も峻厳なる書物”と評している。
3) ピリピ人への手紙の概略:
ピリビ人への手紙はピリピの町のクリスチャン宛てに書かれた手紙で、エペソ書と並んでローマからの獄中書簡である。パウロは第二伝道旅行の時初めてヨーロッパ大陸に渡った。紀元52年、ピリピの町に渡ったのは大都市を宣教の対象に選んだからである。その10年後、61年か62年に執筆されたようである。
執筆の目的は二つある:ピリピ教会が信徒のエパフロデトに贈り物を託してローマの獄中のパウロを訪ねたことへのお礼の言葉、そして、教会内の幾つかの問題に対する指示を与えるためであった。本書は「喜びの書」とも呼ばれ、4章かなる小作にもかかわらず、16回も「喜ぶ」の言葉が続出している。獄中のパウロの内的豊かさを表すのであろう。その豊かさを味わい、共に体験しようではありませんか。
以上の概略を頭に入れ、また礼拝前に当日のテキストを読み、礼拝に備えると、より豊かな祝福を受けること間違いありません。 (いのちのことば社、新聖書注解を参照)
前原利夫
ゴスペルベンチャーインターナショナル教会
Gospel Venture International Church (GVIC)
17811 South Western Avenue, Gardena, CA 90248 U.S.A.
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