苦難のメシヤ・キリストのご聖誕 おめでとう御座います

2021年12月20日

我らの救い主イエス・キリストのご聖誕!

弟子のペテロは

「聖書の預言はすべて、自分勝手に解釈すべきでないことを、まず第一に知るべきである。なぜなら、預言は決して人間の意思から出たものではなく、神によって語ったものだからである。」第二ペテロ1:21 、22

私たちが新約聖書を読むときに一番大事な点は、それ以前に既に存在していた旧約聖書が新約聖書について、或いはある事件やイベントに対して何と言っているかを知ることは正しいことである。

とりわけ、新約聖書の中心であるイエス・キリストがどのように予言されれてるか、詳しく検証することは聖書解釈の絶対的アプローチである。

多くのノンクリスチャンが、また私たちがイエスキリストを信じる前に感じていたことは、どうして神が貧しく、家畜小屋で誕生し、苦難の中を歩んで、また十字架という酷い仕打ちを担わねばならなかったかという神の身分の疑問です。

この疑問は一般的でよくわかる疑問です、これに答えたのが上記のペテロの言葉ですね。旧約聖書がキリストに対してなんと預言しているかがポイントです。

イザヤという人物は BC750年前後の大預言者と言われ、イザヤ書を残している。その9章、11章ではキリストがダビデ王の家系からの誕生、キリストの使命、そして53章では苦難のキリスト、十字架を彷彿させる痛々しい姿を預言している。その数節を紹介しましょう。

「・・・まことに、彼は私たちの病を負い、私たちの痛みをになった。だが、私たちは思った。彼は罰せられ、神に打たれ、苦しめられたのだと。しかし、彼は、私たちのそむきの罪のために刺し通され、私たちの咎のために砕かれた。彼への懲らしめが私たちに平安をもたらし、彼の打ち傷によって、私たちはいやされた。私たちはみな、羊のようにさまよい、おのおの、自分かってな道に向かって行った。しかし、主は、私たちのすべての咎を彼に負わせた。・・・」

苦難のキリスは人類の罪の贖いのためです。罪の贖い、それは楽で平和なキリストの使命ではなく、受難の使命である。

パウロは新約聖書でイザヤ書の預言をこう受け止めています。

「キリストは神の御姿である方なのに、神のあり方を捨てられないとは考えず、ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられました。

人としての性質をもって現れ、自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架の死にまでも従われました。"
ピリピ人への手紙 2章6~8節

イザヤの預言のように、メシヤのライフスタイルは生涯貧しく苦難の姿がふさわしいのです。その使命たるや神に対して一番の強敵である罪との戦い、勝利です。その戦いにあたり神様はあらゆる神の身分たる立場を捨てられたのです。

宮殿で誕生すべきお方は家畜小屋を選び、ダビデ王家の子孫とは言えまだ未熟なマリヤの母体を借りられた。貧しい羊飼いや東方の学者たちの礼拝をお受けになったが、ヘロデ王の幼児殺害の難を逃れてエジプに身を隠した。

多くの弟子を作られたが、ユダヤの指導者や宗教家からは偽物扱いされ、果ては十字架にかかる前夜は一晩中拷問を受けられた。マタイの福音書はイザヤの苦難にメシヤの顔をこう写す:
「彼らは答えて、「彼は死刑に当たる」と言った。そうして、彼らはイエスの顔につばきをかけ、こぶしでなぐりつけ、また、他の者たちは、イエスを平手で打って、こう言った。「当ててみろ。キリスト。あなたを打ったのはだれか。」"マタイの福音書 26章65~68節

どこにメシヤの神の姿がありましょうか。そして、金曜日がやって来た、御自ら重い十字架をゴルゴダの丘まで担ぎ、その十字架で息を引き取られました。その苦難の姿たるや、罪と格闘する人間の姿ではないでしょうか。

しかし、メシヤの苦しみは私たちの贖いのためであり、懲らしめは私たちの平安のためでした。私たちの救いはメシヤの苦難、メシヤの苦しみと切り離せない。深く一体であるのです。
私達はメシヤ誕生を華々しく迎えますがそれがメシヤに相応しいことでしょうか。

昔のように断食の粗布をまとい、自分の罪を悔いながら迎えることこそふさわしくなかろうか。そこにメシヤの苦難の真の意味を知る、罪の赦しの喜び、感謝、解放、救い、永遠の命に至る道を知る。

メシヤが金曜日に十字架にかかり、苦しみの中に私たちに救いの道を開いて下さいました。私達は “ Good Friday”と呼びます。救い主の御降誕を心ら歓迎、お迎え致しましょう!

** Merry Christmas **

前原利夫



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