試練の中の恵み
１カ月が過ぎ、母の容態が落ち着いて来たので、アメリカに帰る事にしました。
祈りつつ、和英対象の小さな聖書を母に渡して来ましたが、２０年位の記憶を失ってしまった母が、また天理教に戻ってしまうのではないかと心配でした。祖母が熱心な天理教でしたので母も天理教の修業に行ったりしていました。
しかし、母がアメリカに来ている間に、私の通う教会の牧師先生に導かれイエス様を信じ信仰告白をして、日本に帰ってから、教会を見つけて通い始めた矢先に事故に遭ったのでした。叔母に電話して母の様子を聞くと、母は警察の事情調書の時に自分はクリスチャンだから加害者の人を咎める事は致しませんと言い切ったそうです。
それを聞いた私は一瞬、自分の耳を疑ってしまいました。そればかりではなく、母は、私の置いて行った聖書のみ言葉を写し、イラストを描いてお医者様やスタッフの人に渡していたそうです。しかも、それは全部英語でした。
母は絵を書いたり詩を書くのが好きだったので、叔母がパステルカラーのクレヨンとスケッチブックを母のために用意してくれたので、母は夢中になって幻想的なパステルカラーのイラストにみ言葉を英語で書き写し、それは、なんと全部でスケッチブック6冊にもなりました。
そして診察の時にも聖書を抱えていたそうです。私の心配は消え去り、喜びと感謝に変わりました。私は母の信仰がしっかりとしている事を確信しました。神様の成される事はすべて、時に叶って美しいと伝導の書にありますが、本当にアーメンと思いました。
イエス様がいつも母の側に共にいてくださり守ってくださっている事を心から感謝しました。そしてこの事が私の信仰も強くしてくれたと思います。
「わたしの恵みはあなたに充分である。」 第2コリント12章9節
高島夕里佳
ゴスペルベンチャーインターナショナル教会
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