音楽を通して福音を伝える②~救いの証 6~

2021年12月30日

前号で書かせて頂いた緩和ケア病棟での音楽ボランティアの働きの中で、忘れられないある思い出があります。

その日、ピアノがある談話室には誰もおらず、私は静かな中で各病室に向けて祈りつつ演奏していました。するとバタバタと慌ただしい気配がし、談話室に張り詰めた顔のご婦人がいらっしゃったのです。

話を少し伺うと、親しいご友人がご臨終間近の時を病室で迎えておられる事、ご自身はクリスチャンである事、もう会話が出来る状態ではないけれど、まだご友人に福音を伝えられていない事が分かりました。

その時、聖霊様の促しを強く感じた私は「もし病室に私がお邪魔する事が可能だったら、枕元で一緒に賛美してお祈りしましょう!」と提案しました。普段の私ならこんな大胆な発言は出てこなかった事でしょう。

特に大事な最期のご家族との時間にお邪魔するとは…。でもそれは私自身から出た言葉ではなく、確かに主からの力強いGOサインだったのです。

彼女も急に力を得た様子でご家族に了解を得て下さり、私は病室に伺って「慈しみ深き」「永遠にあなたと」を枕元で賛美する事が出来ました。そして患者さんの手を取り、”今この賛美を通して目が開かれ、主を受け入れる事が出来ますように…”と、心からとりなしの祈りを捧げました。

後日、その方がその数時間後に亡くなられた事が分かりましたが、とても穏やかな最期でいらした事、また賛美を聴いていたご家族皆さんにとっても良い時であったと伺う事が出来、全てを整えて下さった主に改めて感謝の思いでいっぱいになりました。

また、主が私に送って下さったご婦人とはこの時を機に親しくさせて頂くようになり、彼女を通して私はその後、高齢者施設や幼稚園など、音楽を通して福音を伝える多くの現場に繋がっていくようになるのです。

「神のなさる事は、全て時にかなって美しい。」(伝道者の書3:11)

この先も折々に置かれた場所で、私は主の完璧で愛に満ちたご計画を体験していく事でしょう。

期待し委ねつつ、歩みを進めたいと思います。(終)

黒澤倫子



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