「西郷隆盛と聖書ー敬天愛人の真実」聖書を読んだサムライたち

2021年12月30日

先月の本欄で私は西郷隆盛に触れ、彼の座右の銘、「敬天愛人」にキリスト教に相通ずる精神性を感じると書いたがその後、偶然にも、「西郷隆盛と聖書ー敬天愛人の真実」なる本の存在を知り、早速日本から取り寄せた。今年1月に発行されたばかりで著者の守部喜雅氏は「キリスト教新聞」、「百万人の福音」の編集長だった人であるが、とにかくその内容に驚かされた。

著者によると、10年近く前に日本の民放テレビで「西郷隆盛はキリシタンか?」という歴史探訪番組が放映されたことがあり、これに刺激されてこの本を書くに至ったという。これによると、西郷は漢訳聖書を読んでいただけではなく、横浜で洗礼まで受けていたようだと書かれている。

俄かに信じ難い内容であるが、私には何となくありうることと読めた。明治維新の実現に犠牲的精神で奔走し、驕り高ぶらず世のため、人のために一生を捧げた西郷がクリスチャンであった可能性はゼロではないと思う。

著者は西郷のほか、坂本龍馬、勝海舟、大隈重信など多くのサムライたちが幕末維新のころ、聖書に接する機会があったと指摘している。その多くは宣教師たちの影響が見られ、聖書の不思議な力がサムライたちの心を揺さぶり、日本改革の気運を促したに違いない。明治維新はその証だと私は思いたい。

幕末維新のサムライたちが聖書に心打たれる思いで、高い志で国家のために活動したのであれば、彼らはなんと幸せであったことだろう。翻って、私は幼少の頃より聖書に親しむ機会に恵まれてきたものの、クリスチャンとして心を揺さぶられる経験は乏しい。

私には証に相応しい信仰経験が無いのだが、父母によく言われた「耐え忍べ」という言葉だけは守ろうと努めてきた。然しそれとても至難のわざである。(ローマ人への手紙5章3ー4節「それは、患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。」)

サムエル北村


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