【聖歌308】なが悲しき荷を担い〜“Come, Ye Disconsolate”

Come Ye Disconsolate – Roberta Flack and Donnie Hathaway


「もし、あなたがたが心を尽くしてわたしを捜し求めるなら、わたしを見つけるだろう」エレミヤ29:13

この聖歌では『(我に)来たれ』私たちに対する神の願いが繰り返され、また『神の愛の癒し得ぬ悲しみは地にあらじ』という悲しみに溢れながらも主の約束を信じる思いが描かれています。

アイルランド人詩人が紡ぎだす魂をゆさぶるこのような歌詞は、心を悩ませる多くの人々に神の平安と安らぎをもたらしてきました。苦悶し、わびしさを感じ、道を踏み外し、後悔の苛まれている人々に対し、神は恵みと共に「私の所に来なさい」と招いてくださるのです。

私たちの重荷を担ってくださるのです。そしてそのことによって私たちには喜び、光、希望、そして穏やかな慰めが持たされるのです。この聖歌は、こうした神の真理を私たちにはっきりと教えてくれています。

トーマス・モアは『夏の名残の薔薇』、『春の日の花と輝く』等の詞やバラッド(物語詩)の作者としてアイルランドでは著名な人物であり、「アイルランドの声」として知られる人物です。

モアの散文や詩は、アイルランドにおける政治的圧迫からの解放に大きな影響を与えました。当時のアイルランドはイギリス領でした。その中で、モアの詩作にアイルランド人の真の思いを見いだしたイギリス人がアイルランドの独立に賛同するようになったとも言われています。

1824年に出版された詩作集に収められたこの聖歌は、アメリカ人聖歌作者のトーマス・ヘイスティングにより何度か改訂されました。特に三番の歌詞はほぼヘイスティングによって書かれたものとなっています。このような改訂は、福音教会においてより賛美しやすい内容にするために行われたと理解されています。

この聖歌を歌うたびに『神の愛の癒し得ぬ悲しみは地にあらじ』という真実を思いだすことができます。この真実を思い出すことが、私たちの信仰生活にいかに大切なことかを噛みしめ、賛美を捧げましょう。

峯岸麻子

マタイ11:28、29、ヨハネ14:1、2、コリント1:3-7、へブル4:15、16、Ⅰペテロ5:7
Taken from [Amazing Grace] ©Copyright
September 22, 2017, Kenneth Osbeck,
Published by Kregel Publications, Grand Rapids, MI
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