「はてしも知れぬ」 讃美歌292番 “Jesus, Savior, Pilot Me”


Jesus Saviour Pilot Me

「あなたは私に、いのちの道を知らせてくださいます。あなたの御前には喜びが満ち、あなたの右には、楽しみがとこしえにあります。」 (詩編16:11)

弟子たちが叫びました。「主よ。助けてください。私たちはおぼれそうです。」イエスさまが起き上がって風と湖をしかりつけると、嵐が収まりました。

この讃美歌は、人間には神の助けが必要であるという普遍性を、19世紀の船乗りたちの様子に合わせて語っています。

この讃美歌の作詞者であるエドワード・ホッパーは、名誉神学博士号を持つ、穏やかで謙遜な長老派の牧師でした。しかしホッパーの伝道が一番花開いたのは、ニューヨーク港近くにある小さな教会での船員たちへの牧会でした(ホッパーは亡なるまで、この教会に仕えました)。

この讃美歌は、世界中の船員の霊的な必要を満たすためにホッパーが特別に書いた詩の一部から成り立っています。元々の詩には6詩節ありましたが、この讃美歌に用いられているのはその内の3節だけです。省略された詩節の中に、人生の中に嵐がなく穏やかなときでも、私たちには常にキリ
ストが必要であることが描かれていることは興味深いことです。

ホッパーは70歳で亡くなりました。書斎で、鉛筆を手に御国に関する新たな詩の創作に取り組みながら、座ったまま息を引き取るという穏やかな最期でした。

彼の葬式では、このような弔辞が読まれたそうです。「エドワード・ホッパーの優しく愛に溢れた魂は、突然、天の御国という港に入港してしまいました。

彼が望んだとおり、どんな時も傍にいる友人のイエスさまに人生の旅路を安全に導いていただき、ついにこの港に入港しました。彼の耳には『恐れるな。私があなたの航路を導こう』という、イエスさまの優しい声が、今も聞こえていることでしょう。」

訳:峯岸麻子

詩編89:9、107:28-30、マタイ8:23-27、
ヤコブ1:6参照
Taken from [Amazing Grace] ©Copyright
September 22, 2017, Kenneth Osbeck,.
Published by Kregel Publications, Grand Rapids,
MI
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