ベツレヘムの旧市街を出た。

「この辺りがルツ記に出てくる『ボアズ』の畑があったといわれている所です」

広くはない畑が見える。耕した後だろうか、作物は植わっていなかった。真美子師の話を聞くと、私の脳裏にフランスの画家ジョン・フランソファ・ミレーによって描かれた油彩「落穂拾い」が浮かんだ。二十数年まえ、家族で行ったパリのオルセー美術館で観た「落穂拾い」。

未亡人になったルツが義母ナオミと裕福な親戚ボアズの畑で落穂拾いをする絵だとは、知らなかった。農村の風景を描いた画が、なぜ名画といわれるのか疑問さえ持った。

絵の背景に隠された意味や意図が解っていれば、味わい深く観たに違いない。そして「貧しい人のために落穂を残しておきなさい」と、旧約聖書のどこかにあったことを思い出した。

聖書が立体的に見えてくるとは、このことだろうかと、つらつらと考えていると、パレスチナ自治区ベツレヘムを抜けた。

お椀を伏せたような丘に白い家がびっしりと建っていた。入植地に建てたイスラエルの人たちの家だという。パレスチナの人たちが問題にしている、あの入植地のことか、と思った。

「国連が線引きした国境にパレスチナ人は納得せず、イスラエルに戦争をしかけたのよ。勝てると思ったけど、簡単に負けて領土が狭くなってさ、第一次第二次と中東戦争をやるたびに負けたのよ。パレスチナ人は盗んだ土地というけど、おかしな話だと思わない?」

真美子師の話は今日的問題に入った。

一行の乗ったバスは、ベングリオン空港に入った。空港警察の人がバスに乗り込むと「これから先は写真を撮ってはいけません」という。わずか8日間のイスラエル旅行であったが、国の危機管理を身近に感じ、考えさせられた。バスから降りると、赤いブーゲンベリアの花がイスラエルの夕風に揺れていた。さ、帰国だ。

森田のりえ


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