アラブ人クリスチャン | イスラエルの風 (21)

道幅いっぱいにノコギリの歯のようなものが埋まっていた。道路封鎖である。以前、アラブ人の男性が女性の長着を頭からすっぽり被り、爆弾を隠して持ち出したことが発覚した。

イスラエル側が取った対策は、道路封鎖と市街地の周りによじ登れないほどの垂直な分離壁を張りめぐらし、検問所を作った。それ以後、エルサレム南方9キロにある小高い丘のベツレヘムへの出入りは自由にできなくなったのである。

聖地旅行も終りに近づいた日、わたしたちはベツレヘムに住む「ジョニー・シャワン師」というアラブ人クリスチャンが経営する幼稚園を訪れた。

幼稚園は近代的な四階建てだった。ゆったりした敷地に遊び場があり、室内も清潔で子供の興味をひくものが設えてある。緑の芝生も見たことがないアラブの子供は、赤や緑、青などで派手に塗られた滑り台やブランコは使いたくてしかたがない。親にせがむ。幼稚園に入る。その数もじょじょに増えているという。運営資金はドイツのルーテル派教会から出ていると聞いた。

ドイツとの接点を尋ねた。

ベツレヘムには世界最古のキリスト教共同体が存在していたから、代々クリスチャンの家系の人たちがかなり住んでいた。ところがパレスチナ自治政府に引き渡されると、ムスリム過激派による迫害、仕事につけないなどでクリスチャンは暮らしにくくなり激減した。

少数派になったクリスチャンのなかにジャワン師はいた。あるとき、祖父母のいるドイツでホームスティをし、兄の住むカナダへ行く。そこでイエスの生誕地は自分の生れ故郷だと聞かされて驚く。

「ベツレヘムへ帰ろう!」

帰って人のためになる仕事をしたい。帰国の途中に立ち寄ったドイツでこの話をするとルーテル派教会から思わぬ資金提供の話がでた。ムスリムの人たちから人望のあついジャワン師は、迫害も受けないということである。

森田のりえ


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