聖歌440 十字架の上にて〜 “My Redeemer”
I Will Sing of My Redeemer with Lyrics by Fernando Ortega
「この方にあって私たちは、その血による贖い、罪の赦しを受けています。これは神の豊かな恵みによることです。この恵みを、神は私たちの上にあふれさせ、あらゆる知恵と思慮深さをもって、」 エペソ1:7、8
喜びに溢れた言葉がつづられている聖歌『十字架の上にて』ですが、この詩は、作者のフィリップ・ブリスが遭遇した列車事故の現場で発見されたものでした。
ブリスは、アメリカのゴスペル音楽黎明期にその成長に影響を与えた人物です。会衆賛美をリードする彼は、人間的にも素晴らしい人物として認められ、また、同僚からも高い評価を受けていました。ブリスと同時期に活躍した賛美歌作者のジョージ・ステビンは、ブリスについて、このように書いています。
「福音の基本をなす真理をこれほどまでに理解し、また、その理解をこれほどまでに詩的かつ讃美歌的に表現できる才能を持った人物は他にいない。」
そんなブリスでしたが、悲劇的な列車事故により、38年の短い生涯を閉じることになります。1876年12月29日。幼少期を過ごしたペンシルベニア州ローマ市に住む母親とクリスマスを過ごした後、帰宅の途に就いたブリスと妻のルーシーは、シカゴ行きの列車に乗り込みました。オハイオ州アシュタブラ市近くの橋梁を列車が走っていた時、その橋が突然崩壊します。
列車は20メートル近く下の峡谷に落ち、炎上。100人もの乗客が、この事故の犠牲になりました。実はブリスは一命を取り留めていたのですが、ルーシーを助け出そうと炎上する列車に戻り、そのまま帰らぬ人となったのです。
二人の遺体は確認されなかったものの、事故の残骸物の中から『十字架の上にて』の詩を含むブリスの持ち物が奇跡的に見つかりました。そこには、死を以て私たちを贖いだしてくださった、大切な主の深い憐みが記されていたのです。
峯岸麻子
イザヤ53:4-12,第二コリント2:14、15、
ガラテヤ2:20参照
Taken from [Amazing Grace] ©Copyright
September 22, 2017, Kenneth Osbeck,.
Published by Kregel Publications, Grand Rapids, MI Used by permission of the publisher.
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